3月ほけんだより ~食物アレルギー~

テーマ:食物アレルギー

子どもの食物アレルギーはこの10年間で急増し、いまや乳児の10人にひとりが何らかの食物アレルギーがあるとされています。しかし医学の世界での研究は急速に進み、定説をくつがえす研究成果が続々と発表され新しい「常識」が生まれています。

食物アレルギーとは…
特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状のことをいいます。そのほとんどは食物に含まれるタンパク質が原因で起こります。

原因:原因食品は多いものから鶏卵、牛乳、木の実類であり、以下、小麦、ピーナッツ、魚卵と続きます。

症状:食物アレルギーの症状は多岐にわたります。皮膚・粘膜、消化器、呼吸器さらに全身性に認められることがありますが、最も多い症状は皮膚・粘膜症状です。複数の臓器に症状が出現する状態をアナフラキシーと呼び、呼吸器症状の出現はさらにアナフィラキシーショックが起こるリスクが高まり注意が必要です。

治療:「原因となる食物を摂取しないこと」が治療の基本です。万一、症状が出現した場合には、速やかに適切な対処を行うことが重要です。

予防:かつて食物アレルギーの予防は難しいと考えられていましたが、今はかなり予防できるようになってきています。ポイントは2つです。まずは、皮膚をできる限り完璧な状態にしておくことです。通常、肌から食物が入ることはありませんが、乾燥肌や湿疹などの皮膚の炎症があると、そこから食物アレルゲンが侵入することが分かってきました。皮膚からアレルゲンが入ることで、アレルギー反応が起こりやすい準備状態になるのです。もう1つは、離乳食の開始を遅らせないことです。以前は、食物アレルギーの原因となる食品の摂取を遅らせることが多かったのですが、今は早めの摂取を開始したほうが良いとされています。食物を口から摂ると、アレルギー反応を抑える「免疫寛容」という仕組みが働きやすくなります。